
監督: セルジオ・カステリット Sergio Castellitto
原作: マルガレート・マッツァンティーニ Margaret Mazzantini 『動かないで』(草思社)
脚本: セルジオ・カステリット Sergio Castellitto 、マルガレート・マッツァンティーニ Margaret Mazzantini
撮影: ジャンフィリッポ・コルティチェッリ Gianfilippo Corticelli
音楽: ルシオ・ゴドイ Lucio Godoy
出演: ペネロペ・クルス Penelope Cruz イタリア
セルジオ・カステリット Sergio Castellitto ティモーテオ
クラウディア・ジェリーニ Claudia Gerini エルサ
[あらすじ]
医者の仕事も順調で、美しい妻を持ち、何の不自由もない生活を送っているティモーテオ(カステリット)。しかし、彼はなぜか現状に満足できず、孤独を感じていた。
ある日、場末のカフェで出会った女イタリア(ペネロペ・クルス)と関係を持つ。それ以来、情事を重ねるようになるふたり。
やがてイタリアは妊娠するが、同じ頃エルサからも子どもができたと伝えられ・・・。
[レビュー]
本作は、イタリア文学界の最高峰ストレーガ賞を受賞し、ヨーロッパ各地でベストセラーとなった小説「動かないで」を映画化した作品。
著者マルガレート・マッツアンティーニの夫が、監督と主演を務めたセルジオ・カステリットである。まあ、素敵なご夫婦ですこと。
この「動かないで」というセリフがこの映画のどこに出てくるか?観るとわかります。ドキッとしますよ。
ペネロペはこの作品でイタリア映画界最高の賞、ドナテッロ賞の主演女優賞を受賞したとのこと。
たしかに好演だが、世界マーケットのための選択という気がする。これがペネロペでなかったら日本で公開されていなかったと思うし。
私のイメージでは、もっと太っている女性のほうがよかったのではないかという気がする。とにかく、美しい妻とは正反対でなくては。

何の欠点もない美しい妻を持ちながら(逆に息苦しさを感じて)ブサイクな女性と浮気するというフランス映画『美しすぎて』がありましたねえ。
この映画はもっと、シリアスで、イタリアという名の女性の「無償の愛」とそれが導く「奇跡」を描きます。
つまり、宗教的な展開をみせます。男女の愛欲におぼれる様はこの話では二の次で、男の身勝手さ、ゆがんだ心が、
娘に影響を及ぼすところが、私は非常によかったと思います。
娘は思春期特有の感受性か、女としての動物的な直感で何かを嗅ぎわけている。父親との間に緊張があります。
その娘が見舞われる不幸が、父親が自分自身を取り戻すきっかけになる。
「イタリア」との男女の情欲を遥かに超越した、本当の愛が彼に注がれる。
唯一気になったのは、美しい妻エルサ。女性は勘が鋭いから、夫の浮気にもっと早く気がつくのではないかな。

絶対的に美人だから、だんなが浮気するはずないと思っているのだろうか。。。
こんなに美しい妻をもっても、浮気する男の身勝手さ、それを受け入れるイタリア。
男性にとっての理想の女の結末は悲しいですね。

本作の宣伝でセルジオ・カステリットが来日していたのですが、あまり媒体で見かけませんでした。
監督としても才能があり、渋くて素敵な中年男性だと思いますが、次回はいつ来日してくれるのだろうか、
もっと取り上げてください、マスコミの皆様。
赤いアモーレ公式サイト http://www.gaga.ne.jp/dontmove/
採点:★★(ペネロペが私的にミスキャスト)
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娘の事故が「宗教的な展開」と言うのは考えもしませんでした。
なるほど、やはり自分以外の誰かの感想を読むのは色んな発見があって面白いです。
ところで、イタリア映画にこだわった内容のブログとは興味深いですね。
知らない作品がほとんどで、感心するばかりです。
私も思わず観てみたくなりました。
でも果たして近くの店に置いてあるかどうか?ですが・・・
これからもお邪魔したいと思います。
それから、こちらからもTB返させて下さいね。
マヤさんはペネロペには不満なのですね^^
なるほど妻とはまったく違うタイプの方が対比が出来てわかり易いかもしれませんね〜〜
私は妻は気がついていると思いました。
表情から見てとれたような・・どこのシーンだったかもう忘れちゃいましたが(笑)
原作がどうなのか気になります。
この監督(主人公)、「マーサの幸せレシピ」では、陽気で優しい料理人を演じていましたね。
美しい妻。互いに直接的な詮索はしないんだけど、作品の中では微妙な距離がとられていました。
ちょっと、時間的経過で間違っているかもしれないけど、イタリアとの荒々しい性愛が、妻に対する懺悔とともに、性愛を回復し、妻の妊娠にいたったという皮肉も感じられました。
確かにペネロペが出演してなかったら、日本では公開されなさそうでしたねぇ。という私もペネロペ目当てで観に行っちゃったんですが…。
この映画、何と言ってもペネロペに尽きますよね。一途さが哀れで、だから余計に男の身勝手さが浮き彫りにされていたようでした。イタリアの愛は浄化されている愛だと私は感じたので、彼女は全てを赦しているのだと思え、後味は悪くなかったです。
そうですね、愛を与え続けて、相手の身勝手も許すなんて聖母のような女性ですね。