2005年12月22日

星降る夜のリストランテ LA CENA

『星降る夜のリストランテ』La Cena 108m、伊/仏

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監督: エットレ・スコーラ Ettore Scola
脚本: エットレ・スコーラ Ettore Scola 、フリオ・スカルペッリFurio Scarpelliほか
音楽: アルマンド・トロヴァヨーリ Armando Trovajoli
出演: ファニー・アルダン Fanny Ardant
マリー・ジラン Marie Gillain
ヴィットリオ・ガスマン Vittorio Gassman
ジャンカルロ・ジャンニーニ Giancarlo Giannini
ステファニア・サンドレッリ Stefania Sandrelli

【あらすじ】
ローマの街角にあるリストランテ「アルトゥーロの店」の或る一夜の様子を名匠エットレ・スコーラが巧みに切り取ってみせる人情喜劇。
病気療養中の夫に代わって店を切り盛りする女主人フローラ(F・アルダン)は、いつものように店を明けると、早速と客たちが次々訪れる。常連の老詩人はフローラと会話しながらいつもの料理を楽しみ、離婚して久しぶりに会った娘から修道女になりたいと告げられ動転する母親、教え子と不倫する大学教授など様々な人間模様が展開する。

【解説】
タイトルのcena、英語ではdinnerです。
名匠、エットレ・スコーラの毎度のことながら軽妙洒脱な映画に、途中までとってもいい感じでのっていたのに、ヘンテコリンなアジア人家族が写ったところで途端に興ざめ。

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マリージランに演技指導するスコーラ。

両親と息子がとってつけたような眼鏡をかけていて、おそらく日本人という設定のようだが、子どもが思いっきり韓国語で父親に話しかけているというチンプンカンな家族。しかも、息子は食事中ずっとピコピコとスーパーマリオやってるし。このアジア人親子が全体の流れをイチジルしくゆがめてしまった。

会話劇として、観客を飽きさせないテンポのよさ、笑いと涙のバランスなどは絶妙なんだけど、それほど大きな盛り上がりもないので、後半飽きてきて途中から眠くなってしまった。

個人的には教え子マリー・ジラン(かわいい)と不倫している大学教授ジャンカルロ・ジャンニーニの思いっきりカメラ目線演技が最高に笑える。
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サックスブルーのワイシャツに、ブラウンのチェックのジャケットをこんなに素敵に着こなす哲学の教授がいたら、日本でもきっとモテモテだね。ま、日本にいねーからいいんだけど。

彼女が、彼の奥さんに「彼と別れてください、彼を自由にしてあげて」という長文の手紙を延々読んで聞かせるシーンは抱腹絶倒。
しかし、マリー・ジランも、主演のファニー・アルダンも、フランス女優で、セリフはイタリア語に吹き替えさている。ということは、撮影のときには、どうしていたのだろうか。
マリージランはフランス語を話し、ジャンニーニはイタリア語でまくし立てていたのだろうか。どうしてイタリア人女優を使わないのだろう。

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ユーモアとペーソス溢れる話は好きだけど、いかんせん、ヘンテコアジア人がダメダメな映画だった。探したけど、そのアジア人の画像がミツカラナーイ。

N.Y.にあるイタリアンの店で一夜におこる出来事を描いた群像劇『ディナーラッシュ』という映画があったなあ。この映画にインスピレーションを得て作られたのだろうか。


採点:★★


posted by マヤ at 22:25| Comment(7) | TrackBack(2) | エットレ・スコーラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月14日

BAR(バール)に灯ともる頃 CHE ORA E?

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製作:1989年(93分)
監督:エットーレ・スコラ Ettore Scola
製作:マリオ・チェッキ・ゴーリ Mario Cecchi Gori /ヴィットリオ・チェッキ・ゴーリVittrio Cecchi Gori
脚本:エットーレ・スコラ/ ベアトリーチェ・ラッウセァリョーリBeatrice Ravaglioli / シルヴィア・スコラ Silvia Scola
撮影 : Luciano Tovoli ルチアーノ・トヴォリ
音楽 : Armando Trovajoli アルマンド・トロバヨーリ

キャスト
マルチェロ・マストロヤンニ(Marcello Mastroianni)
マッシモ・トロイージ(Massimo Troisi)
アンヌ・パリロー(Anne Parillaud)

あらすじ
裕福な初老の弁護士が、兵役中の一人息子に会うためにローマから、小さな港町チヴィタヴェッキアにやってくる。
父親は仕事に追われろくに話すこともなかった息子ミケーレに、「お前と二人だけで話がしたかった」と言い、祖父の形見の懐中時計をプレゼントする。ミケーレは喜び、父子は揃って町を散策するが、ささいなことで喧嘩してしまう。
父は、ミケーレのなじみのBARの店主から、知らなかった息子の将来の計画を聞かされる。


レビュー
『特別な一日』の名匠エットレ・スーコラ監督による、これまたたった1日の物語。
『甘い生活』の後日談のようでもある。『甘い生活』には華やかなローマで活躍する息子(マルチェロ・マストロヤンニが演じた)の様子を見にくる父親のエピソードがあった。
本作では歳をとったマルチェロが、自分の息子を訪ねるのだ。なんと本作でもマルチェロは役名もマルチェロなのだ。
マルチェロはローマで活躍するやり手の弁護士であり、息子は兵役を田舎の港町で過ごしている。父親は息子を自分と同じく都会で働かせたいのだが、息子はそういう出世欲などには無縁の性格。そんな息子をみていて歯がゆく、心配でならない父親は、ああだこうだと息子の生き方に口をはさむ。
が、息子は息子なりに大人になっていた。


2人の会話によって物語が進行するのはスコラ監督お得意のパターンだ。
会話はイタリア人らしく饒舌だが、肝心なことは話していない。
一見なんてことのないやりとり、会話、行動、それらが個々に何を意味するかではなく、その総体が何かを語ることがあるのだ。
スコラの真骨頂ともいうべき、会話劇がここにはある。
これには役者の演技がものをいう。
マストロヤンニはこれだけたくさんの映画に出演していながら、この人ばっかりというマンネリを感じさせない驚くべき人だ。
それだけでなく、他の映画で演じた役とつなげて、より楽しみが広がる奇跡みたいな役者。

『イル・ポスティーノ』では病気でやせ衰えていたマッシモ・トロイージの元気な姿が見れるのも魅力。

ヨーロッパは役者のキャラクターを活かした演出をし、アメリカは演技メソッドによって違うキャラクターの人格になりきる演技をする。
私はヨーロッパ型のほうが好きです。

そして最後に音楽はトロバヨーリです!

採点:★★★+1/2 

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海外版のポスター 味があって素敵です



posted by マヤ at 18:17| Comment(0) | TrackBack(0) | エットレ・スコーラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月27日

「ローマの人々」(原題:GENTE DI ROMA)

romanohitobito.jpg
2003年 イタリア
監督: エットレ・スコラ 
音楽: アルマンド・トロヴァヨーリ♪
出演: ジョルジョ・コランジェリ アントネッロ・ファッサーリ ファビオ・フェッラーリ ステファニア・サンドレッリ ナンニ・モレッティ

[あらすじ]巨匠エットレ・スコラが、ローマに生きる普通の人々をデジタル・ビデオで追いかけた軽快な新作。バスの中のおかしな人々、年老いた父親と夕食をレストランで共にする息子など、レストランの厨房で働く人間模様、早朝から深夜までの20以上のエピソードが語られる。

[レビュー]
おお、音楽は『黄金の7人』のトロヴァヨーリじゃないの!
大傑作ではないのだが、愛すべき物語だ。洒脱。軽妙、痛快という言葉を捧げたい。
うまい人の落語というのは、ただ面白いだけではなく
噺家が持っている「味」というものが伝わるからこそ、味わい深い名人芸と言われるのだと思うのだが、本作はまさにそういう完成された職人芸を味わうことができる。
どこまでがドキュメンタリーでどこまでがやらせか・・・
この映画を観ていて、この下町気質、日本で一番近いのは大阪かなあと思ったのは私だけでしょうか。関西のノリがローマにあるような気がして。

日常のスケッチのようだが、レストランでの親子の会話のシーンは完全に演出された作り物であり、レストランの厨房でのユーべファンとローマファンのこぜりあいなども、作り物っぽい。それがイタリア人だったらきっとわかるのだろうが、私にはわからない。
ただ、「ったくしょーがねーなー、もぉ〜」といいつつ嫌いになれない、憎めないヤツがここにいる。そこかしこにいるじゃないか。

ロマニスタ(サッカーチームACローマのサポーターのこと)は異人種よりラツィアーレ(ラツィオサポ)が嫌いだ。
ここでサッカーファンは笑ってしまうのだが、解説が多少は必要かとも思う。
TOYOTAはローマにイタリア支社があるが、なぜか代々フィオレンティーナのスポンサーである。それはなぜか?
ローマにはロマニスタとラツィアーレにサポーターが二分されている。
この二つのチームはお互いを敵視しているため、どちらか一方のスポンサーになると、
従業員はだまっちゃいない。業務に支障をきたすのだ。
うそのようなホントの話。塩野七生さんがNumberに書いてたからホントだよ。

ラスト。ホームレスのおぢさんのもとに馬車で乗り付ける貴族の老紳士。
このふたりがなぜ知り合いで、どういう人生を送ってきたのか、だけでまた一本の映画ができそうだが、それは語られない。永遠の都ローマにはマジックがいたるところでおこる。
「笑わせてホロッとさせて苦みもある」心にくい映画である。
簡単に作ったようでいて、実はこの手の映画は絶対真似できそうもない。
齢(よわい)を重ねていないと出せないこの「味」を、同じく日本の監督に求めてはいけないのだろうか。

[採点]★★★

[関連HP]
・エットレ・スコラ監督のトロヴァヨーリのコンビについて知りたい方へ
http://www.holysnow.com/coffee/
・サントラならタワーレコードで購入できますよ
http://buyer.review.towerrecords.co.jp/cgi/review.cgi?review_no=1450
・「Love Itary トピックス」より マッテオさんによる紹介記事
http://www.love-italy.net/topics/matteo/vol03.html
posted by マヤ at 16:13| Comment(0) | TrackBack(0) | エットレ・スコーラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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