2009年10月29日

バーリア その2



私の感想より動画をどうぞ

2009年10月24日

『バーリア』 Baaria

baaria2.jpg


怒涛の166分。ジェットコースタームービーのようです。
でも、それでもまだ足りないくらい。
いっそ『輝ける青春』のように6時間でも。いやせめて3時間、180分でもよかったのでは。もっと観ていたいと思いました。
まあ、劇場に1日3回かけるギリギリの時間で収めざるをえなったのでしょう。DVD完全版がいまから楽しみです(笑)。

実は1回見ただけでは、あまりの展開の速さについていけないところがあり、あと2回くらい見ないと正確なレビューができそうにありません。

これ、配給がまだ決まってないのだろうか?
昨今の不況と邦画人気で洋画はほとんど公開されない。
トルナトーレとともに製作者まで来日したということは、そうとう日本での商談に本気だったのだろう。なにせ製作費30億でしたっけ?
かかってますからね。

しかし、この映画に配給がついていないのは少し理解できます。
正直、シチリアの近現代史、それこそ『山猫』のあの時代から1970年代くらいまでのイタリアの歴史がわからないと、観てもわからない部分がかなりあります。

シチリアの登場人物たちが、さまざま出てくるのですが、
彼はマフィア?彼は地元の実力者?という人物像、勢力図がわかりません。
そもそも、まあ、理由は語られますが、お父さんがなぜ共産党に目覚めたのか、ちょっと弱い。
それに輪をかけて展開が速いので、考えてると話についていけなくなってもう途中からは考えながら見ることを放棄。
タダひたすら物語を追うだけでした。

そして、配給がつかない理由もうひとつ。
あまりに駆け足でたくさんの人物、出来事をなぞっていくので、
トルナトーレらしい、情感たっぷりの泣きのシーンが少ないのです。

父と母のラブロマンスは、さすがイタリア!モリコーネ最高!って具合ですし、

ラストのファンタジーには、さすが、そうきましたか。

と思わせてくれますが、これまでのトルナトーレファンからすると、意外とあっさりしています。

父と子にしぼったらもっと泣ける映画になったのでしょうが、
今回あえてそれをしなかった理由を聞いてみたかった。
おそらく時代を俯瞰したかったのだ。だってそもそも最初から飛んでるもんね。


これは、「駆け抜ける」映画です。


ペッピーノは走り、父さんも最後に走ります。


人は死ぬ前に人生を走馬灯のように思い出すというけれど、
この映画の速さはそんなものなのかもしれない。

まだ語り足りないことがあるのですが、それは次回に。



2008年05月14日

トルナトーレ新作“Baaria”カンヌのマルシェに

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080513-00000002-vari-ent

トルナトーレの新作が現在撮影中

見本市に出されなくてもヒット間違いなしな気もしますが。

楽しみー


ちょっと俳優を調べてみましたがラウル・ボヴァが主演で、モニカはおそらくちらっと顔見世程度と思われます。
シチリアが舞台だけあって濃い顔の俳優が総出演という感じ。

2007年12月30日

『題名のない子守唄』

今年最後の更新は、書いていなかったトルナトーレの『題名のない子守唄』の感想で締めます。

実は多くのファンを魅了した『ニューシネマパラダイス』をそれほど好きではない私・・・

むしろ、私は日本でそれほどヒットしていない作品のほうがすきなのです。『マレーナ』もイマイチでした。

『みんな元気』、『海の上のピアニスト』、『明日を夢見て』それからこの『題名のない子守唄』

はい、私はこの『題名のない子守唄』とても好きです。
個人的には今までで一番というくらいよかった!


題名のない子守唄は感動的な物語ではありますが、全編を漂う暴力にはかなり衝撃を受けた人も多かったのではないかと思います。わたしもそのひとり。そういう意味では、『明日を夢見て』や『マレーナ』にもそのにおいはありましたね。


そこに監督の、冷酷で暴力的な視点を感じてぞっとするのですが、それは監督の故郷シチリアの血のせいなのか、ネオリアリズモの伝統をもつイタリアという国の伝統なのか、一見明るいようで実は闇が深いという私が漠然と感じているイタリアという国の一面のせいなのか、ただのトルナトーレという人個人の資質のものなのかはわかりません。

トルナトーレと暴力というのは私にとってひとつのテーマになりそうです。

ひとつの解釈として、極端な愛と極端な暴力というのはつながるところがあるのかなと、これは心理学の勉強をしてみないと語れないのですが、『題名のない子守唄』の主人公の愛情の深さが、彼女が受けてきた暴力と比例するような気がしたもので。


本作は、ストーリーテリングのうまさ、監督自身が手がけた脚本のうまさだと思いますが、ドラマチックな展開はハリウッド映画のようで、アメリカで人気がある監督というのはやはりうなづけます。

それから監督はこの映画について移民という角度から論じられることをあまり好まないようで、あくまで愛の話だと受けとってほしいようです。

その愛が暴走しているところがいかにもトルナトーレっぽくていいと思いました。そして暴走していてもOKだというラストもまたよいですよね(笑)

子どもの描き方なのですが、幼い子どもが原因不明の病気に苦しんでいますけれど、これは両親の不和がぜったいに少女に影響を及ぼしていると思います。だから本当に体が悪いのではなく、精神的な原因なのではと私は思いましたし、そういう意味でも監督は子どもを描くのが本当にうまいなあと思いました。かなり子どもの心理学をリサーチしているのではないかと思います。



ネタバレになりますが














この映画にはどこにも血のつながりのある関係がないということ、
そこがミソだと思いました。

でも、それでも家族以上の絆をつくることができるという可能性を描いている

それがこれからの世界の人間関係のひとつのありかたを示していると私は思ったのです。血のつながりによらない家族というかたち。

それを監督が意図したのかどうかはわかりませんが、わたしはこの映画でそんなことを感じましたし、そこがこの映画のすごいところだと思いました。



あともうひとつ素晴らしいところは、


イレーナの”間違った母性”が、結果的には少女を救い、そして最後にこれは一番大事ですが、彼女自身を救うことになったということ。

人を愛するということがおこす奇跡

それがやはり母性によるもの、というのが、母の愛の強さと監督も語ってはいますけれど、裏返せば母性に対する強力な甘えが感じられる。

ま、同じ女性としては、こんなに苦労したくないし、痛い思いはしたくないよ、わたしは。と思ったり。

やっぱり「マンマへの愛」が愛憎混在しているのが、トルナトーレの女性観をあらわしているような気がして、、、そういう意味ではちょっとアルモドバル映画に似てるかな、本作は。

でもラストは涙涙でございました。


参考記事
http://www.cinema-factory.net/contents/281_komoriuta/interview.html

http://www.walkerplus.com/movie/report/report5097.html

http://lx03.www.tsutaya.co.jp/tol/news/index.pl?c=entertain&c2=movie&artid=1498

http://blog.cinemacafe.net/showbiz/archives/yoshizawa/006880.php

http://www.wowow.co.jp/cv/backnumber/0709.html

http://cinematoday.jp/page/N0011475

http://broadband.biglobe.ne.jp/index_program.html?prog=movinterview&ch=movie_p&movieid=828399


昨年のローマ映画祭でのキャスト全員集合写真


sconosciuta.jpg


主役の女優さんとても素敵な女性ですね
tornatore_pezzo_181006.jpg



さて、本年はありがとうございました。

ヴェネチア映画祭に行ったことはつい4ヶ月前なのに遠い昔のようです。
来年も頑張ってイタリア映画の情報を更新していきたいと思いますのでよろしくお願いいたします!!

Grazie tutti

2007年07月09日

トルナトーレの新作『題名のない子守唄』

いよいよ今週土曜日から『恋愛マニュアル』が公開されますね。

秋には待望のジュゼッペ・トルナトーレの6年ぶりの新作
『題名のない子守唄』が公開されます。

http://www.komoriuta-movie.com/

この作品は今年のダヴィド・デ・ドナテッロ賞の主要部門を独占しております。

一足早く観ることができましたが、期待にたがわぬ作品です。

映画の内容ももちろんですが、エンニオ・モリコーネの音楽が素晴らしい!
映画は音楽でほとんど決まってしまうのではないかとすら思えるスコアの数々。トルナトーレの映画って場面と音楽が同時に浮かんできませんか?それってすごいことなんですよ、名作の条件です。

スターウォーズはいつもジョン・ウィリアムズの音楽とともにあり、
ダースベーダーは常にダースベーダーのテーマとともにあり、
じぇだいはフォースとともにある

わけで・・・・・

ニューシネマパラダイスもマレーナも、ほらもう音楽が聴こえてきたでしょ。


また公開が近くなりましたらご紹介させていただきますね。

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