2005年11月05日

3日間のアナーキー Tre giorni di anarchia

『3日間のアナーキー』(2004)
監督:ヴィート・ザッガリオ Vito Zagarrio
東京国際映画祭で上映
アナーキー1.jpg

残念ながら作品を鑑賞できなかったのですが、東京国際映画祭の公式サイトで記者会見の模様が動画配信されていたので、それを見てまとめてみました。(っていーのか?)

ヴィート・ザガッリオ監督は、10年前に来日したことあるそうな。
■作品について
「本作は、歴史的な映画であると同時におとぎ話でもあります。ラブストーリーとイデオロギーのミックスを楽しんでほしい。私の父は詩人であり、政治家だった。冒頭は実際にあった話です。しかし時代設定は43年だけれども、現代のイタリア、西欧社会を描いているともいえます。3日間のユートピアの話と言い換えてもいい。あの時代は象徴的な意味をもっているだけで、政治的な寓話、おとぎ話とうけとってほしい。赤い旗は、左翼、宗教的な赤、キリスト教、聖母マドンナを表わします。」

VITOZAGARRIO.jpg

・・・・・・
それにしてもあまりに閑散とした会見場。
誰に対しての会見なのか、理解に苦しみますが、
わたしみたいな映画を観に行けないけど、監督の話は聴いてみたいファンには嬉しい動画ですね。
しかし、ほとんどの質問はちょこんと座ったイタリア人プレスが、イタリア人監督に英語で質問、そして監督の英語で答えるという不思議な空間。
・・・・・・・・・・・

■この映画の物語りは、新しい事件のはじまりなのか、ある事件のおわりなのか?
「この映画は長い歴史の集約です。私はフィレンツェ出身でローマ在住ですが、両親がシシリー出身で、いわば私の家族のルーツの話です。
1988年の『月の女』が初監督作ですが、それもシチリアを舞台にしている。シシリーは私の創造力の源。私の父は詩人でインテリな男でした。これは家族の神話、伝説のお話です。そういう意味は、長い歴史の集約であり、スタートでもあります。」

■日本で受け入れられると思うか?
「イタリア人はイタリア映画嫌いで、全然みないじゃないですか!
私は自分がやりたいと思うものをつくるべきだと思っているので、売れるかどうかは考えてない、何がやりたいかだ。

■映画が財政援助を得ていたそうだが。
はい。前ベルルスコーニ左翼政権の時に支給されました。イタリアの政府は経済的に問題があり、現政権では援助も削減中。RAIからも助成金もらったが、配給にはもらえなかった。製作しても配給がうまくいかなかったり問題は多い。
皆さん、イタリアに観光にきてお金おとして!
(充分落としてると思うんですけど)
イタリア政府は映画、演劇、オペラからお金を削減していきます。
(へー、日本と同じ)

最後に、

 主人公の男は、外では、資本主義や、マフィアや農民の板ばさみに苦しみ、家の中では妻と愛人に引き裂かれている。しかし、彼は悲劇のヒーローではない。
 これは3日間のイタリアの話ではなく、日本にもイラクにもあてはまる。また、68年の(どうして68年なのかは映画を見ておらずわかりません)イタリアのメタファーになってもいる。人間は人生を変えられる瞬間に誰でも出会う。
革命ができるというクリエイティブな気持ちになるときは誰にでもあるでしょう。しかし、
時間がたつと元に戻ってしまう。人生は難しい、ユートピアは抑圧されるものだからです。

IMDBでは7.5の評価だったから、まあまあなんでしょうかね。
アナーキー2.jpg
でも上の写真を見る限りにおいては、「いかにも」な作品な気がしますが、どうなんでしょう?
posted by マヤ at 17:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京国際映画祭2005 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月26日

13人のテーブル (13dici a tavola)

『13人のテーブル』
監督:エンリコ・オルドイーニ
キャスト:ジャンカルロ・ジャンニーニ/カシア・スムトニアック、ニコラス・ヴァポリディス

13テーブル.jpg

【あらすじ】
老境にはいったジュリオは、若い頃家族と過ごした別荘を売りに出すために久しぶりにトスカーナを訪れる。何日か過ごすうちに、17歳のときの記憶が甦る。家族、親戚、憧れの女性アンナと過ごした甘い夏のの思い出。


【レビュー】
主役のジュリオを演じるのは、ジャンカルロ・ジャンニーニ、若い時代をニコラス・ヴァポリディス(Nicolas Vaporidis)が演じる。
さて、物語はこのジュリオのひと夏の恋物語。17歳のジュリオが美女アンナと出会い、ひと夏を共にすごし、夏の終わりとともに別れる。
ってだけで、どういうストーリーか検討つきますか?
はい、そのとおりのストーリーです。

といってもふたりで過ごすわけではなく、ジュリオを軸にして、両親、祖父母、従兄弟や叔父と叔母もあわせたイタリアらしい大家族がほのぼの描かれる。監督の故郷で撮影したそうで、つまり監督の自伝的な映画といっていいいだろう。

それにしてもイタリアという国は、大変な国かも。
美しければマドンナとして老いも若きもすべての男性からの視線を集め、崇められる。
目が合えば、もう恋がはじまってますから(苦笑)。
女性や男性が視線を投げる方向で、誰に気があるか一挙手一投足を見張られてしまう。
日本人にもそういう感情はあると思うけど、良くも悪くも「露骨」なんです。


男4人がアンナをどうものにするかを競うのだけど、くどき方が面白い。
その1「自分は24歳でまだ女性と経験がない。だからといって道端に立ってる女性もちょっと・・・だし、助けて!」という同情ひきよせ作戦。
その2、愛の詩を紙に書いて、部屋中に貼り付ける作戦。
その3、美女に振られたばかりで傷ついている風を装う。女のほうから話しかけさせる。
「一緒に映画をみていたら、突然彼女が席を立って、出て行ってしまった。」と。
そうすると美人のアンナは「私も以前同じことをしたことがある」と相手を慰めたがり、話をしているうちに・・・という具合。

結局3番目の男にアンナは陥落。しかし、アンナは自分が「誰がアンナと寝るか」の賭けの対象にされていたことを知ってしまう。
まあ、イタリアには、とんでもない美女がいれば、それを上回るとんでもない女泣かせのプレイボーイもいるんですよね。
で、意外に女が泣いている、(こういう話、イタリア映画に意外と多いと思いませんか?『甘い生活』のアニタ・エグバーグ(ハリウッド女優という設定だったっけ)も、泣いてたし)
まあ、美しいだけの若い女も、伊達男に泣かされながら、痛みを知って大人の女になるのかもしれないとも思ったりしましたが。(ってえらそうに言える立場か、私は)

それにしても60〜70年代から上流家庭でもないのに、こんな風にトスカーナに別荘もって、夏のバカンス過ごしてるなんてさ、日本人が必死に働いてたときに、イタリアも戦後は貧しかったはずだけど、ヨーロッパには富の蓄積があるからなんでしょうか、日本が戦後の貧しさから這い上がったのとは違う生活スタイルというのがありますね。

しかし、今年のイタリア映画祭で上映された10本と比べても劣るかなあ。楽しめましたが、目新しいものがなにもない、普通のイタリア映画でした。

さて、ジャンニーニの青年時代を演じたニコラス・ヴァポリディスがティーチインに登場。それにしても、、、ノリがエディソン・チャンにそっくり。
つまり、「今どきのあんちゃん」。

vaporidis.jpg彼です。

ゆったりシャツにジーンズ&スニーカー。髪の毛はちょっと立てて、落ち着きがない。しかも小柄。いまどきのアンちゃんのグローバルスタンダートが、これかい?

会場から「あなたのプロフィールを知らないので教えて」という質問に「ご心配なく、イタリアでも僕のことは誰もしりませんから」と答え、ジュリオと自分のキャラクターの違いを「自分はジュリオみたいにシャイじゃない。アンナとのキスシーンも、途中で我を忘れて突進しそうになった」とか、まあ正直というか、素直というか、ジョークも入ってると思うけど、きどらないところは笑わせてくれた。六本木ふらふらしてるガイジン連れてきたんじゃないですよね?ね?


ニコラスの次回作は、中国人の女の子と恋に落ちるというラブストーリーで、中国でもロケを行う伊中合作映画だそうです。「今回初めて東京に来てとても日本が気に入ったので、どうか日本のプロデューサーの方、日本女性とのラブストーリー映画を作ってください。是非出演したいです」とリップサービス。おせーじでもこういうこと言うのは、さすがイタリア男ですね。

ジャンカルロ・ジャンニーニとは撮影中も飲みに行ったりしたそうですが、寝ないでも平気な人で朝の5時までつきあわされたそうです。

【採点】★★と1/2

tredici_1.jpg左がアンナです。
posted by マヤ at 23:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京国際映画祭2005 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月20日

東京国際映画祭で上映されるイタリア映画

更新が滞ってしまってます。(・_・;)

いくつかイタリア映画関連の出来事を。

おととい、BS2の深夜にヴェルディのオペラ『トロヴァトーレ』が放映されました。
寝てしまってみれなかったのですが、これはヴィスコンティの『夏の嵐』のオープニングに使われているオペラです。一度は生で聴きたいと思ってます。

さて、22日に開幕の東京国際映画祭、コンペ部門にイタリア映画が2本選出されています。
『3日間のアナーキー』と『13人のテーブル』です。
23日の日曜日の前売りはすでに売り切れ。
平日ならまだ残っているとのこと。今年は当日券も発売されるので、ぎりぎりまで粘りましょう。

ちなみに、釜山国際映画祭で『輝ける青春』の監督、マルコ・トゥーリオ・ジョルダーナの新作『Once you’re born you can no longer hide』が上映されてましたけど、来年のイタリア映画祭で上映されるであろうと勝手に判断して、見ませんでした。
ついでに、アレッシオ・ボーニ来日してくれないかなー。
posted by マヤ at 11:16| Comment(1) | TrackBack(0) | 東京国際映画祭2005 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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